書籍・雑誌
『ホームレスでいること』 いちむらみさこ 著 創元社2024☆☆☆☆☆余 これは、なかなかすごい本でした。読む前は、学者か研究者が何人かのホームレスに話を聞いて、そこから問題点などをまとめたものかと思っていました。 著者のいちむらさんは、ずっとホームレ…
『四国八十八カ所』 石川文洋 著 岩波新書2008☆☆☆☆小 先日、37番の岩本寺だけは行ったので、惹かれて読んでみました。石川さんの八十八カ所巡りは、ベトナムやカンボジアで命を落とした戦場カメラマンの慰霊旅ともなっていて、随所にベトナム関係の一人一人…
『ロバのスーコと旅をする』 高田晃太郎 著 河出書房2023☆☆☆☆小 大変面白かったです。イラン、トルコ、モロッコを、ロバに荷物を載せ、自分は後ろから歩いて旅をします。ロバは、毎回その国で購入することになります。 イランでは、日本人に対するものすごい…
『四万十川を行く』 立松和平 文、大塚高雄 写真 講談社1991☆☆☆☆小 かなり昔の本です。最後の清流として紹介されていますが、この時点でも護岸工事などによって鮎の数がそれ以前に比べて激減していたようです。 でも、立松さんの文体にもよりますが、四万十…
『世界港湾史』 関口信一郎 著 亜璃西社2023☆☆☆☆余 世界の港の歴史の本です。世界史の大きな流れと、その時代時代に主役となっていた港湾が詳細な地図とともに説明されていて、地理好きにはとても面白かったです。過去の港湾の歴史が、現代ではどういう風に…
『デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか』 針貝有佳 著 PHPビジネス2023☆☆☆☆☆小 面白く、ためになりました。読みやすいです。デンマークは労働時間が短くても、国際競争力やデジタル競争力が世界一なのだそうです。この本では、デンマーク在住の…
『核のごみをどぷするか』 今田高俊・寿楽告太・中澤高師 著 岩波ジュニア新書2023☆☆☆☆☆潮 トイレの無いマンションと言われる原発の使用済み核燃料をどうするのか。この本は原発推進でも原発反対でもなく、客観的に日本という国(それは政府も国民も含む)が…
『やせる旅』 都築響一 著 筑摩書房2007☆☆☆京 ダイエットしながら楽しむ旅の記録です。国内国外の16カ所の様々なダイエット方法に実際にチャレンジした様子が紹介されています。私としては、タイのチェンマイで老荘思想を西洋化したホリスティック・リトリー…
『親鸞』 バロン吉元 画 角川コミックス1991☆☆☆小 親鸞の生涯を描いた娯楽漫画です。悟りを開いてからよりも、少年・青年期の比叡山での出来事が中心に描かれています。かなり不真面目で、女癖が悪く、それでいて何とも言えないバランス感覚と幸運を持った僧…
『ボーダー』 佐々涼子 著 集英社2022☆☆☆☆☆潮 日本の入管がどれほどひどい扱いを難民申請している人(していない在留外国人も含めて)に対してしているか、読んでいて胸が痛くなります。最低限の人権も保障されず、何より、人間として扱われていない。最低限…
『押しの子」1~12 ひょんな縁でかかわった話だったので、漫画を図書館で借りて一気読みし、アニメも一気に見ました。こんなに今年流行っているものとは知らずに、B小町の踊りの一部だけ良く知っていました。第13巻も発売されていましたが、買って読むほど…
『くらしのアナキズム』 松村圭一郎 著 ミシマ社2011☆☆☆☆☆潮 アナーキズムという危ない言葉のイメージとはかけ離れた、じわじわと今ある国家や大資本のすきまを練って行うアナキズムが、文化人類学の視点から書かれています。 私はすごく納得しました。とい…
『世界あちこち旅日記』 益田ミリ 著 毎日文庫2022☆☆☆潮 20ヵ国くらいの昔から最近までの旅のエッセイです。絵や写真も奇麗です。ただ、「記憶が無い」という記述が多く、私なら行った所はそんなに忘れないけれどなあと思ってしまいました、
『ガザの空の下』 藤原亮司 著 dZERO2016☆☆☆☆潮 写真家の著者がガザ地区で取材中イスラエルからの銃撃を受け、手を少し怪我するところから始まります。その後、著者は何回もガザやヨルダン川西岸を訪れますが、その度にガザの知人が死んでいたり、無気…
『リバー』 奥田英朗 著 集英社2022☆☆☆☆潮 群馬の桐生市と栃木の足利市で連続して起こった若い女性の全裸河原殺人事件を追うミステリーです。しかも、10年前に同じような事件が起きて、警察は犯人を検挙できていない。648ページもありました。読者に犯人はか…
『派遣添乗員ヘトヘト日記』 梅村達 著 フォレスト出版2022☆☆☆仁 50歳を過ぎて添乗員になり、今まだ現役派遣添乗員のエッセーです。想像していた通りというか、大学生の時に2本だけですがツアーコンダクターのアルバイトをしていたことを思い出し、そうだっ…
『6カ国転校生ナージャの発見』 キリローバ・ナージャ著 集英社2022☆☆☆☆潮 ロシア、日本、イギリス、フランス、アメリカ、カナダを転校したことにより、戸惑った経験をもとに、座席や給食、体育の方法など6カ国を比較して分析しています。 とても面白いです…
『清明』 今野敏 著 新潮社2020☆☆☆☆余 こんな警察幹部いるわけがないと思いながら、痛快に読めました。人としてこうありたいと単純に思いました。公安はそんなに甘くないよなとも思いました。
『ナパーム弾の少女 五〇年の物語』 藤えりか 著 講談社2022☆☆☆☆余 あの、ベトナム戦争の有名な写真の少女。その後も生きていて、あの写真を撮った写真家とも交流が続いているそうです。著者が、写真の少女であるキム・フックさんや、あの写真を撮ったニック…
『ブッダの一生』 笑い飯 哲夫 著 ヨシモトブックス2022☆☆☆☆余 M1とかもほとんど見ない私は、笑い飯というお笑いコンビの名前さえ知りませんでした。この本は、ブッダの一生について、時折ギャグ?も入れながら、大変分りやすく書いてあります。悟りを開くあ…
『マレー半島美しきプラナカンの世界』 イワサキチエ・丹保美紀 著 産業編集センター2007☆☆☆☆小 「プラナカン」とはマラッカ、ペナン、シンガポールに主に住む、もとは中国系でマレー系とも混血した人々を指すそうです。男性を「ババ」、女性を「ニョニャ」…
『秘密のミャンマー』 椎名誠 著 小学館2003☆☆☆余 古い本ですが、私もミャンマー行ったことがあるので懐かしくなりました。ミャンマーの人々が優しいのは、仏教による信心深さからなのでしょうか。それと、多民族国家故に、相手の意図するところを察知する力…
『辺境を旅行けば日本が見えた』 伊藤千尋 著 新日本出版社2012☆☆☆小 朝日新聞の記者だった人のエッセイです。この人の本は昔『太陽の汗、月の涙』という南米の本を読んだことがありました。 パタゴニア、ボルネオ、アイスランド、捕鯨船、ロマのルーマニア…
『校長、お電話です!』 佐川光晴 著 双葉社2015☆☆☆☆☆余 佐川氏の作品はほぼ全て読んでいるつもりでしたが、この本は読んでいませんでした。 結構感動しました。金八先生的で、そんなにうまくいくわけないよなとは思いました。でも、あちらこちらに私の心を…
『秘境添乗員』 金子貴一 著 文芸春秋2009☆☆☆☆小 最初、秘境とか言っても所詮添乗員として行けるところはしれているから、その程度の本だと思って読んでいました。 しかし、この本、中盤から完全に著者の自分史です。 小学校時代はいじめられ、中学校は不登…
『富士五湖氷穴の殺人』 梓林太郎 著 実業之日本社文庫2014☆☆☆余 昨年のOMMの舞台の近くだったので、読んでみました。娯楽推理小説として、まあ面白かったですが、なぜ殺す必要があったのかが、最後でも全く理解できませんでした。 昨年のOMM、何年か前に参…
『新・冒険論』 角幡雄介 著 集英社2018☆☆☆小 最初の方はなるほどと思って刺激的に読めましたが、後半は繰り返しにしか思えず苦痛でした。やはり、彼の本は、実際に経験したものの書下ろしが一番です。 冒険がシステムの内側に入り、スポーツ化してしまって…
『フェイクフィクション』 誉田哲也 著 集英社2021☆☆☆☆仁 首無し死体と新興宗教。娯楽作品として面白かったです。昨年出版されていますので、統一教会の問題を予言するような面があります。 『ダークツーリズム入門』 イースト・プレス 2017☆☆☆小 日本国内と…
『アルプス・プロヴァンスの小さな旅』 秋本和彦 著 東京書籍1995小☆☆☆ アルプスやプロヴァンスの適当な旅行記と思ったら、ローヌ川を源流から河口までかなり忠実に下る旅行記でした。様々な引用も多く、描写も詳しく面白かったです。ただ、今となっては少し…
『サンティアゴ巡礼の道』 檀ふみ・池田宗弘・五十嵐見鳥 著 とんぼの本2002余☆☆☆ サンチャゴでコンポステーラ巡礼について、3人がそれぞれ別の角度から写真入りで説明せいているので、この巡礼について客観的によくわかりました。 サンチャゴが「聖ヤコブ」…