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『核のごみをどうするか』

『核のごみをどぷするか』 今田高俊・寿楽告太・中澤高師 著 岩波ジュニア新書2023☆☆☆☆☆潮

 トイレの無いマンションと言われる原発の使用済み核燃料をどうするのか。この本は原発推進でも原発反対でもなく、客観的に日本という国(それは政府も国民も含む)が現実に存在し、さらに再稼働によって増えている高レベル放射性廃棄物をどうしていけばよいのかを、原点に返って真剣に考えていこうという提案の本です。本当に分かりやすく書かれています。

 本書の中には、具体的な(政府に対する)提言も12個明確に示されています。

 特に、最終処分場(地層処理)に至る前に、現在ある「中間貯蔵施設」ではなく「暫定保管」という考え方を提案しています。これは、最終地層処分が本当に安全かどうかわからないし、将来、もっと良い処分技術がでるかもしれないし。それでも、核のゴミは現実に今あるのだから、それぞれの原発設置者が、自分の管理領域の中で、しかも原発を設置した市町村とは別なところの地上に50年間(30年+20年だそうです)暫定的に安全に保管するという考え方です。納得しました。

 小中高の教科書にも、このことを明確に取り上げて、児童生徒に対話的に考えさせることも、国としてはとても重要だと私は思いました。