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『SHOE DOG 靴にすべてを』

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『SHOE DOG 靴にすべてを』 フィル・ナイト著 東洋経済新聞社2017☆☆☆☆☆倶
 ナイキの創業者フィル・ナイトの自伝?です。1962年から1980年までのことが書かれています。その内容も大変面白いのですが、過去の細かい会話などが詳細に再現されて書かれていることにも驚かされます。記録をとっていたのでしょうか。
 550ページあまりあり、私は読み終えるのに一週間近くかかってしまいましたが、核心部分は面白くて夜中まで読みふけってしまいます。
 ナイキの前身ブルーリボン社が日本のオニツカ(今のアシックス)のシューズをアメリカで販売することから始まり、オニツカとの決別と訴訟で大変な状況になった時にブルーリボン社を助けたのも日商岩井という日本の総合商社。ナイキに製品名と社名を変更した初期の製品を生産していたのも今のダンロップに繋がる会社。随分日本との関係が大きな会社(人)だったのですね。
 どこまでが真実かわかりませんが、かなり正直に書いているのではないかと思ってしまいます。それほど、悩める部分や失敗談が続きます。
 1980年に株式を公開するまで、売り上げはうなぎ登りであったにも関わらず、会社はずっと借金続きで、世界最大規模の自転車操業をやり続けていた感じがありました。
 シューズ会社の成長物語なのに、技術の話はあまり出てきません。フィル・ナイトは漢の高祖劉邦の様な人物なのかもしれません。人の能力を見抜き、適材適所に配置することが天才的という意味で。
 1970年当時はシューズメーカーの巨人はアディダス。21世紀に入ってナイキとアシックスがアディダスを追い越しているというのも感慨深いものがあります。
 私は、10年前に足底腱膜炎になって以来、基本的にランシューズはナイキを履き続けてきました。アメリカの会社に頼るの嫌だなとどこかで思っていましたが、読んで益々ナイキファンになってしまいました…。
 また、ナイキの本拠地オレゴンにも興味を持ちました。