羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

自転車、クロカン、オリエンテーリングが趣味

北海道1200を振り返って(18,19日)

<3日目> 別海→金山湖 361.6km
 別海の体育館で熟睡していましたら、3時に電気が全てつけられ全員起きました。私はあまりに明るいので午前8時くらいだと思ったのですが、3時と知って唖然としました。ただし、睡眠がかなり深かったため(22時半~3時)、眠さはほとんどありませんでした。
 ちこりんさんやKさん、静岡から応援してくださっているスタッフの方が、布団などのかたずけを始めています。パンや余ったいた別海牛乳などを頂き、4時に別海を出ました。その時点でほぼ最後尾です。
 別海から弟子屈までは、快調に参加者を抜かしながら進みます。mugenさんたちはちょうどコンビニに入っていくところで抜かしました。残念ながら霧雨が続きます。
 虹別を過ぎた所で、東京から参加のI泉さんに追いつきました。しばらくお話しながら走りました。世界中の過酷なブルべを走り回っていることで有名なI泉さんですが、そんな彼の口からも、今回の北海道1200の休憩所やボランティアスタッフの状況が世界レベルでも最高の部類に入るとのお言葉を頂きました。
 弟子屈のコンビニでサンドイッチなどを食べて、美幌峠に向かいます。私の足はかなり回ってきており、どんどん参加者を抜かします。特に美幌峠の登りに入ってからは、かなりのハイペースで参加者を抜かしました。
 美幌峠は、残念ながら濃霧の中でした。
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 しかし、少し下ると薄晴れになって来ました。
 美幌の街では完全に晴れです。
 そこからはまた暑くなってきました。美幌から北見への登りで、テキサスから来ているアメリカ人男女としばらく一緒に走りました。
 北見には10時頃に着いたと記憶しています。今度はカレーを頂きました。美味しかった。
 北見ではあまり長居はせずに、来た道を少し折り返します。ここは参加者同士がすれ違えるコースになっています。
 津別に向かう道は暑くて暑くて朦朧としてきました。津別ではすぐにコンビニに入り、冷たい飲み物を摂取しました。津別の街中の温度計は28.5℃を示していました。どうりで暑い。
 津別から陸別に抜ける道に入ると、なぜか強い向かい風です。暑さと向かい風と登り基調の道でペースが落ちます。そうすると少し眠たくなってきます。
 何とか陸別に着くと、I間さんがいました。天気は急激に曇りに変わり、気温も下がっています。
 陸別からはI間さんと前後しながら走りましたが、ここから足寄までは、とにかく道が悪いです。今回のコースの中で最悪ではないでしょうか。向かい風に悪路、苦労しました。
 足寄愛冠のセブンは15:23着。かなりの参加者がたまっていて、ほりひろさんも巡回に来てくれていました。焼きサバごはんを食べました。
 そこから、足寄町内にある休憩所に寄って顔を出しました。AJ北海道初代代表のS村さんとはるさんがボランティアスタッフをしていてくれました。taqさんともう一人が睡眠中でした。私は眠たくはないので、しばらくお話をして、ミニトマトとかを頂いて出発。足寄を出たのは16:30頃でした。雨がぽつりぽつり。
 芽登の登りで先行の参加者を見つけてから、足に火が付きました。めちゃくちゃ回りだしたのです。平地35km/h近く出ています。3日目の夕方ですから、超回復が始まった感じです。
 そのまま上士幌へ。そこでT中さんやinainaさんたちに追いつきましたが、コンビニに寄ると言うので、私はそのまま進みます。
 瓜幕の緩い登りでもアウターのまま時速25~30km出ています。途中でM田さんたちを抜かしましたが、話をする暇もないほどでした。雨はどんどん激しくなってきました。
 鹿追手前のコンビニに、旭川T中さんがいました。ということは、そうとう前の方まで抜いて来てしまったということです。100円パスタを食べて日の落ちた狩勝峠へ。T中さんをかわし、峠の麓でもう一人外国人をかわし、峠へ。2合目くらいでアイオワから来ているアメリカ人をかわします。夜の雨の狩勝峠。私のスピードは時速15kmを下回りません。
 峠の頂上からの下りは恐怖そのもの。霧と雨で全く路面が見えません。ライトを明るくしても、空間が照らされるだけ。かろうじて雪のための路肩の上にある矢印マークが見えるだけです。ホワイトアウトの吹雪の中を進む様な感じで慎重に下りました。
 すると、今度は寒さで眠気が襲ってきました。峠を降りてから金山湖までも、時々意識を失いながら、こんなに長かったかなあと思いつつ進みました。私のハンドルに着けている衝撃防止用のプチプチがほどけていましたが、雨の中、ビニール手袋の代わりになりました…。
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 夜10時頃、何とか金山湖のPC8スポーツ研修センターに着きました。
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 ここも素晴らしい施設です。カレーを食べ、シャワーを浴び、再びカレー、メロン、プリン、お茶づけを頂きました。洗濯もしました。
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 スタッフのマリオさんやオーバーさん、うめちゃん、K父さん、yyyさん、それに、やたらかわいい中国人留学生の女の子が二人もいて、幸せな空間でした。布団部屋も窓が開いていて、涼しくてばっちりでした。
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<4日目> 金山湖→札幌 253.2km
 朝は5時頃に起きました。昨日遅く着いて、すでに出発の準備をしている人、私よりも前に着いて、出発しようとする人、今まさに狩勝を降りて着いた人など錯綜していました。
 私は、このまま札幌に戻っても距離も時間も余ると思い、もう一度狩勝峠を登ることにしました。
 雨は上がっていました。走り出すとすれ違う参加者の方々が不思議そうな顔をしていました。
 狩勝の登りに入ると、雨が降ってきました。失敗したなと思いましたが、今更戻れません。雨は峠を登るにつれて激しくなり、昨晩以上になってきたので、上下合羽を着ました。
 峠の頂上の手前まで台湾人と思われる参加者とすれ違いました。頂上からもう一度下りますが、昨晩あんなに怖かったのはこんな道だったのかという感じです。
 幾寅の街を過ぎた所で、道を間違っている台湾人参加者がいたので誘導しました。その後、昨日陸別から北見へ出発チェック忘れをしたと思い込んで戻ったフィリピン人の参加者を励ましながら一緒に走りました。金山のクローズ時刻が迫っていましたが、彼のリアディレーラーは壊れ、リアは15くらいで固定されたままでした。
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 もう一度金山湖のスポーツセンターへ。mugenさん夫婦が寝ていました。カレーなどは全て売り切れていました。皆さん雨の狩勝越えで消耗したのでしょう。
 さて、私は、9時ちょうどに金山を出発しました。残すところはゴールまで198.4km。200kmブルべを新たに開始する気持ちです。
 占冠への登りでも参加者を抜きまくり(台湾人が多かったです)占冠の手前で大阪から参加の方をかわし、占冠のコンビニで朝食をとりました。ここにはT田さんがいました。
 そこから鵡川のPCまでは、必死に走りました。風も鵡川近くは向かい風でしたが、それ以外は追い風でした。途中のバス停には、かなりの確率で自転車が立てかけられ、参加者が寝ていました。結果的に鵡川までにかなりの参加者を抜いたと思います。途中、平取和牛の店の看板が見えましたが、そこに立ち寄れなかったのは少し後悔です。
 鵡川のセブンにも参加者がたくさんいて、N川さんやT中さんもいました。
 鵡川からは、馬の牧場を縫うようにして走る道を行きます。しばらくして、R札幌のyosidaさんが自動車で応援してくれていました。この辺は初めて通る所が多かったので楽しかったです。途中でT中さんと一緒になり道を教えていただいたりしましたが、また一人になり先を急ぎました。
 千歳、恵庭、36号線、羊ケ丘通と追い風の中快調に進みます。
 最後の滝野へ向かう道は向かい風でしたが、まだまだ元気に回しました。滝野近くでさらに二人をかわして、17時30分頃ゴール!皆さんと焼肉が待っていました。84時間09分でした。
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 最後の200kmは8時間半。4日目で、1000km以上走り、朝一番で狩勝を一度登った状態での8時間半はやはり速いと思います。1200ブルべは最後に超回復が来るのだということを、ずっと持論として持っていて、それを証明したかったのですが、やっと証明できた気がします。
 ちなみに1300km走って、お尻はほとんど痛くならず(又の左前が少しだけ擦れました)、左足の膝の裏がほんの少し痛む程度で、いたって元気でした。
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 焼肉は美味しかった。昨日峠で一緒だったオハイオからの参加者などと談笑しました。yamamotoさんともお会いできました。
 それにしても凄いのは、AJ北海道のゴールスタッフの面々です。焼肉も食べずにずっとゴールする参加者の対応をしています。私一人走らせていただき、焼肉もいただき、本当に申し訳ない気持ちです。同時に、大会を成功させるために万全の体制をひくことは勿論大切だとは頭ではわかるのですが、やはりもう少し多くのスタッフに一緒に走って欲しいとも思いました。
 日が落ちてからも、次々に参加者がゴールして来ます。夜になると雨も降って来ましたが、それでもどんどんゴールします。mugenさん御一行も無事ゴールされました。おめでとうございます。23時の締め切りを過ぎて、認定されなくなっても完走する参加者も何人かいたそうです。
■まとめ
1日目 351.5km
2日目 369.2km
3日目 361.6km
4日目 253.2km
合計 1335.4km。時間84時間09分、ライドタイム51時間01分。
avg26.1km/hくらいと思われます。(1000kmを越えるとサイコンが一周し、avgはエラー表示になってしまいました。)
■終えて
 とにかく楽しかったです。2年前の1200試走はたった一人で行ったので、1日400kmペースでひたすら走り、バス停や道の駅で眠るだけでした。今回は1日350km程度でしか走らず、余裕をもって仮眠所に入り、そこには暖かい食事や入浴、そしてなによりもスタッフの方々と一緒に前後して走った参加者の方々がいました。こんな幸せな4日間を過ごさせていただいた事に感謝です。殊になおみ代表をはじめとするAJ北海道のスタッフの皆さんへの感謝の気持ちは筆舌に尽くせません。