『熊野古道巡礼』 吉田智彦 著 東方出版2004☆☆☆☆小
著者はユーコン川やチベット、インド、サンテャゴデコンポステーラなどを走破したことのある人だが、2002年に埼玉県から熊野に移り住み、熊野古道を踏破しています。
この本には中辺路(なかへち)、大辺路(おおへち)、小辺路(こへち)、大峯奥駈路(おおみねおくがけみち)の主要古道はもとより、伊勢路、紀伊路(京都から大阪市内も含めて)、熊野三山巡りと、熊野古道のほぼ全てを歩いて踏破した記録です。
まっぷるの地図や、地理院地図を見ながら読んだので、和歌山県の地理がかなり詳しく分かってきました。
また、この本は、単なる走破記ではなく、その土地にかかわる逸話や歴史、物語などが各所にちりばめられており、また、地域の方々との出会いも暖かく語られています。時折、自分自身に対する問なども出て来て、飽きないというか、深い本でした。