羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

自転車、クロカン、オリエンテーリングが趣味

『まんがでわかる「1984年」』、『まだ見ぬあの地へ』

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『まんがでわかるジョージ・オーウェル1984年」』 宝島社2020☆☆☆☆京

 オーウェルの『1984』はそれこそ1984年前後に(今から35年くらい前)に読みました。その時の恐怖が現代の日本や中国・アメリカと重なってきました。

 1948年に「1984」でオーウェルが予言したのは国家権力による監視・管理社会でしたが、現在はスマホGPS機能、SNSの発信内容、クレジットカードの購入履歴などにより個人の情報は商業的に丸裸にされています。さらに、中国などではそれを実際に国家権力が管理しています。しかし、国民は便利すぎてこのシステムから自ら抜け出すことを拒否している状況です。それは、こうやってブログを書いている私も同じです。

 各章ごとに「まんが」の部分と「ストーリー解説」の部分と「1984と現代」の部分が繰り返されて展開しますが、「ストーリー解説」の部分は不要な気がしました。

 多くの若者にも読んでもらいたい気持ちになりました。

 

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『まだ見ぬあの地へ』 近藤雄生 著 産業編集センター2020☆☆☆京

 結婚したばかりの26歳の時から妻と二人で5年半海外旅行を続けた著者が、かつての旅と著作をコロナ禍の中で振り返って書いた本です。

 色々書いている中で、最近の旅で上海で騙された話やラスベガスへの旅の話が結局私には一番面白かったので、旅行記は振り返るものではなく、やはり旅に出て新しいうちに書くべきものだろうと、批判的に読んでしまいました。

 かく言う私も著者も、旅に出る事が出来ない状況に追い込まれているのですから、こういう本になってしまうのも仕方がないのかもしれません。