羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

自転車、クロカン、オリエンテーリングが趣味

『さだの辞書』『世界でいちばん長い写真』『消滅絶景』

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『さだの辞書』さだまさし 著 岩波書店2020☆☆☆☆京

 さだまさしのエッセイです。

 実は中学の時に学校祭で友人と急ごしらえでバンドを組み、全校生徒の前で弾き語ったのが「精霊流し」でした。

 それ以後もしばらくはファンでした。特に、奈良や京都を表現する詩がすごいと思っていました。しかし、どこか白々しいというか、少しついて行けなくなり、遠ざかっていました。

 今回読んでみて、何か所か泣けそうになるところがありました。

 本文中に、「精霊流し」で暗いと言われ、「無縁坂」でマザコン、「雨やどり」で軟弱、「関白宣言」で女性蔑視、「防人の詩」では好戦的右翼などと言われたことで、世間の過剰反応と個人攻撃にへこたれそうになったこともあったと書かれています。私も世間と同じような感想を少し持っていました。

 このエッセイでは家族や友人の事なども含めてさださんの人生が見えてきます。特に震災以降の活躍はほとんど知りませんでしたし、再評価させていただきました。

 

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『世界でいちばん長い写真』 誉田哲也 著 光文社2010☆☆☆倶

 ストロベリーナイトの著者が書いた、爽やかな青春小説でした。ほのぼのしていて、最後の笑顔の部分は自分もそうしようという気持ちに少しなりました。新しい本だと思っていたら、10年も前の本で、映画化もされていたのですね。

 

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『消滅絶景』 ナショナルジオグラフィック編 吉田正人監修 日経ナショナルジオグラフィック社2020☆☆☆京

 もう見る事が出来なくなったかつての写真と現代の写真の比較が続きます。一番心が動いたのは、中国の九塞溝(漢字が変換できないけれど、塞は土ではなく木)。さだまさしの中国で借金をした映画の話にも出てきて、地震によるためとはいえもうこれを見る事が出来ないのかという思いになりました。

 また、中には、人間の努力によって復活した動物などもあり、少し救われました。