羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

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『ラバウル温泉遊撃隊』

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ラバウル温泉遊撃隊』 山崎まゆみ 著 新潮社2009☆☆☆☆小

 かつて日本軍は戦争をしながら温泉にも入っていた。そんな不確かである意味ふとどきな情報をもとにラバウルと日本を取材していくうちに、本当にあった温泉遊撃隊の隊長にたどり着き、そのインタビューをもとにもう一度ラバウルに行ってジャングルの中の温泉を探し当て、入るという話です。

 戦争と温泉というテーマで取材することが、当然のことながら現地の人にとっても、また旧日本兵にとっても簡単には他人には語れない辛い部分を含んでいるのですが、著者自身が真摯に当事者に向き合ううちに、だんだん心が解けて、双方の橋渡し役になっていくのがすごいです。