プロボノとは、自分の専門性を活かしたボランティア活動だそうですが、この本は大手電機会社で大量リストラする人事部長の下に配属された社員が、血も涙もないその手法の部長に、プロボノで知り合った人たちの協力を得て仕返しをするという内容でした。面白かったので一気に読みましたが、その面白さは勧善懲悪のマンガ的な面白さでしかありません。
私には、やっつけられる人格の歪んだ人事部長こそ主人公にすべきではという読後感がありました。親鸞やキリストだったら、どう彼を救うことを考えるのかと。異常性を持っているのは私も同じ。その部長をやっつけて終わりでは、あまりに軽すぎます。私は、むしろ、正義の味方になっているボランティアに関わっている人々の方にうさん臭さを感じてしまいました。私は正しいと言っている人(自分も含めて)がどれほど罪深いのかを再認識してしまう変な読後感になってしまいました。
割り切って読めば面白いです。