羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

自転車、クロカン、オリエンテーリングが趣味

『流』

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『流』 東山彰良 著 講談社2015☆☆☆☆☆高
 面白かったです。直木賞受賞作らしいです。台湾を舞台とした青春ハードボイルド小説?という感じ。一気に読んでしまいました。
 著者は台湾で生まれ5歳まで住んでいて、その後日本で育ったそうです。
 内容が盛りだくさんですが、それが一本の線に繫がって来るのがすごいと思います。中国本土での日本と通じた共産軍とそれに対抗した国民軍の虐殺に端を発したと思われる祖父の殺人事件と、その真実を追い求める孫の思いが流れの本流です。そこに本省人外省人蒋介石蒋経国、台湾軍の内情、台北ヤクザ、結果として禁じられた初恋、狐火に守られる家系と幽霊、日本のバブル景気、山東省訪問、新たしい家族などが絡み合っていますが、なるほど「流」が最後には見えてきます。