羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

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『イスタンブールで青に溺れる』

イスタンブールで青に溺れる』 横道誠 著 文芸春秋2022☆☆☆☆潮

 著者はドイツ文学の准教授ですが、40歳ごろに自閉スペクトラム症と診断され、その自分の状況を理解したうえで、今まで自分が旅して来た諸都市の旅行記を分析して書き直した作品です。様々な外国文学の引用や、自分の心の動きがちりばめられ、「旅行記」というジャンルではない不思議な本です。

 著者が訪れテーマとしている都市は、ウィーン、プラハ、ベルリン、マイエンフェルト、モスクワ、サンクトペテルブルクダッハウイスタンブール、カイロ、カサブランカアテネ、ローマ、フィレンツェマドリッドグラナダ、パリ、アムステルダム、ロンドン、ニューヨーク、ロサンゼルス、バンコク、上海、台北、ソウル、沖縄の25か所ですが、私はそのうち17か所に行っています。しかし、私とは全く違った視点というか感性で各地をとらえています。私にとっては、自閉スペクトラム症の理解が少しだけ出来るようになった本でした。