『愛を知ったのは処刑に駆り立てられる日々の後だった』舟越美夏 著 河出書房新社2019☆☆☆☆京
自爆テロをしようとしたチェチェン人女性や逆に虐殺や拷問をしたロシア人元特殊部隊員、10歳から人を殺していたポルポト派の元兵士、焼身自殺をしたチベット人少女の母、グアンタナモからやっと帰還されたモーリタニア人など、著者がインタビューを試みる人々は、いずれも通常の日常では考えられない過酷な経験をしてきた人たちです。なのに、この本を読み終わって感じるのは、憎しみではなく愛です。
私が一番凄いと思ったのは、最終章のモーリタニア人。これほど知的で、精神力の強い人がこの世にいるとは。それこそ、ガンジーとかに匹敵するのではないかと思いましたし、私自身もお会いしたいとも思いました。