羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

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『ガザの空の下』

『ガザの空の下』 藤原亮司 著 dZERO2016☆☆☆☆潮

 写真家の著者がガザ地区で取材中イスラエルからの銃撃を受け、手を少し怪我するところから始まります。その後、著者は何回もガザやヨルダン川西岸を訪れますが、その度にガザの知人が死んでいたり、無気力になっていたりする様子が伝わってきます。

 イスラエスのやっていることはとんでもないことですが、それがイラク戦争やISの影に隠れて報道されなくなり、パレスティナは忘れ去られた難民・占領地となっています。

 イスラエルによる新たな入植とそれに伴うパレスティナ人の排除(その中には砲弾による攻撃、ブルによる整地、狙撃、最近ではドローンによる攻撃などが含まれます)と分離壁の建設が国際法違反を無視してどんどん進んでいます。そんな中、イスラエル人はパレスティナ人を見ることも無くなって、テロリストのイメージだけが残っている様です。

 イスラエルの圧倒的な勝利と精神的なものも含めた支配により、パレスティナ問題は消滅しつつあるようです。こんなことがまかり通って良いのでしょうか。

 かといって、私に何が出来る訳でもなく、虚しさが残りました。

 本の最後のページにあるQRコードをスマホ等で読み取り、あるページの人名をキーワードとして入力すると、藤原さんが撮ったカラーの写真や動画を見ることができます。