羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

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『ALLYになりたい』

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『ALLYになりたい わたしが出会ったLGBTQ+の人たち』小島あゆみ 著 かもがわ出版2021☆☆☆☆小

 LGBTQ+の人々を支援する人々のことを「ALLY」と言うのだそうです。航空会社のグループをAlliance(同盟)というのと同じ語源で、味方・支援者という意味だそうです。電通の調査では日本で11人に一人がLGBTQ+なのだそうです。

 著者はアメリカを中心に日本も含めて30名ものLGBTQ+の人たちに取材して、この本を書いています。一つひとつの事例が具体的で、私も大変勉強になりました。

 私が一番理解していなかったのは、同性愛者でも子供が持てるという事です。たとえばサンフランシスコに住む二人ともローラという名のレズビアンの場合、片方のローラがメキシコ人のゲイであるマリオとアメリカ人の医師マイケルにそれぞれ精子ドナーになってもらって二人の姉妹を産み、二人のローラで育てています。メキシコに住むマリオの母はマリオがゲイのため孫を見ることをあきらめていたけれど、ローラとマリオの精子の子供が出来たことをメキシコの大家族中が大歓迎したそうです。同様のことが他の祖父母でも起きていて、家族は二人の母と二人の父と二人の子供の6人、祖父母に至っては計8人が出来たことになるのです。そして、クリスマスには大変な数のプレゼントが届くとか。

 子孫が出来ないのは自然の理に反すると、どこかで私は思っていましたが、こういう現実があるのであれば、それに対応できるように法律を変えて同性婚を認めるべきだと思いました。それは主義主張というよりも、アメリカでそうしているように、何よりも産まれてくる子供に不利益が及ぶことが無いようにするためです。