羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

自転車、クロカン、オリエンテーリングが趣味

ニセコアドベンチャーレース2021を終えて

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 今回のニセコアドベンチャーレース、私は怪我で途中リタイアとなりましたが、それでも大変楽しい3泊4日を過ごすことができました。

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 今回、参加者全員にビブが支給されましたが、これが結構厚くて少し邪魔でした。同じチームの女性メンバーJさんは、夜でもTシャツ1枚で寒くなかったのはこのゼッケンのおかげかもしれないと言っていました。それ以上に本人の特性によると思いましたが…。

 私のシューズはナイキのペガサストレイルで行けたので(雨が無かったため)、ロードに出ても楽でした。羊蹄山の登りではポールを使いました。OMMのスパッツは、私の皮膚と共にスネの部分が切れてしまいました。

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 レース展開は、GPSログが、誰でも見る事が出来るようになっています。

https://livetrack360.com/livetracking/2d/3874?password=90ac746eb6b1248bea94b4ffc5a6eb…

 スタートは3日の12:00。スタートして飛び出した小鍛治レジェンドと小鍛治JASO(若手)と我々3チームが最初に羊蹄山に入りました。

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 ぐんぐん引っ張るF島君のペースで1合目過ぎに小鍛治に追いつき、2合目で小鍛治を両方抜いて我々がトップになりました。その後、女性メンバーのJさんが先頭に出て私とyamamoto氏のペースを見ながら登りました。ログを見ると、2,3位との差が開いていった様です。

 しかし、暑さと最初のランの負担と装備の重さから、年寄り二人には辛いペースでした。yamamoto氏の荷物をF君が持ったりしましたが、8合目付近から大きくペースが落ちて、9合目で小鍛治レジェンドに先頭を譲りました。小鍛治レジェンドは女性メンバーをロープで引いていました。(我チームは女性メンバーのJさんは終始チームを引っ張っていく勢いでした。)

 我々としては、羊蹄山を降りた直後にあるPC3が少し地図読みが難しめで、そこを小鍛治の前に行くとヒントを与えてしまうことになるので、むしろ抜かれた方が良いと考えていました。

 倶知安(比羅夫)コースを登った後、京極コースを降ります。この下りで、私の「木と笹を掴む走法」に火がついてしまい、どんどん飛びながら下ってしまいました。すると、7合目付近でまた小鍛治レジェンドに追いついてしまいました。抜いたらまずいのでペースを落としましたが、レジェンドチームは結構消耗している様で、3号目を地図にプロットするという難しくないミッションを時間をかけてやっている隙に、一気に抜いて差を広げる作戦に出ました。

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 2合目過ぎで左に林道に入り、しばらく直線を走ってもレジェンドには追いつかれていない様でした。小さな沢から藪に入り、無事PC3をゲットしました(上の地図の緑〇)。その途中で倒木に膝上を強打し打撲しましたが、後の怪我に比べると記憶に残らなくなるほどのものでした。(上の地図は羊蹄山を降りたところの1~3位の位置と軌跡です)

 その後、林道を通って倶知安と京極を結ぶ道道に出ますが、途中で地図にある筈の林道が無くなり、後続のチームには混乱するチームも出てくるだろうなと思いました。

 下山途中から私のお腹の具合が悪くなり、草むらでトイレタイム。歩いて待っていてもらったら、今度はyamamoto氏がトイレタイム。さらに道道に出てから私が再びトイレタイム。ここでレジェンドに追いつかれてしまいました。

 2,3分の差でラフトを始めます。ラフトはJストロークの出来るyamamoto氏と私が左右の後ろに位置し、前の二人にはひたすら漕いでもらいました。危険防止のためガイドさんが各艇に一人付きますが、質問をすればライン取りも含めて教えてくれて勉強になりました。ラフトで徐々にレジェンドチームに追いついていきました。

 倶知安橋の所でラフトを終了し、我々がコンビニに寄っていろいろしている間にレジェンドは行ってしまいまいた。我々も尻別川左岸の砂利道を走っていると、何とレジェンドがUターンして戻って来ます。地図を見て砂利道が途中で切れていると判断したのかもしれません。我々はこの道は昨年のレースでも使われた道で、繋がっていると判断し、そのまま進みました。下の地図の真ん中の部分です。

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 ここでまたトップに出ました。そしてそのまま、スタート地点に1位で戻って来ました。

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   この時チェックされた羊蹄山での2か所のラインオリエンテーリング結果もノーミス、抜き打ちで行われた装備チェックも全員合格でした。ダウンなどもちゃんとザックに入れておいて良かったです。

 20時10分に到着した我々は、30分の強制休憩後、20時50分にMTBの再スタートとなりました。小鍛治レジェンドは7分くらい遅れて到着したようです。

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 夜のMTBにはPC8,PC9はライン上のどこかにあるというポイントでしたが、とにかく私に土地勘のあるところだったので、簡単でした。ログを見るとレジェンドとの差はどんどん広がっていった様です。

 PC10は京極の吹き出し公園。ここで、京極の湧水を飲みに行った後で、3種類の水をチーム全員が飲み比べて、どれが京極の名水かを当てるチームチャレンジでした。我々は「C」の水を選びましたが、正解はBの水で、その結果15分のペナルティタイムが加算されました(最終ゴールタイムにプラスされます)。こういうチャレンジは、「エゾリスハニー」ポーズが判らなかったと同様、実力とは関係ないので精神的にはダメージになりません。

 終わってみると、私が離脱したことを除けば、我チームのペナルティはこの効き水の15分だけで、他は全く減点なしでした。

 MTBはPC11,12,13と続きますが、草の多い林道、砂利の不安定な林道、水の溜まっている林道、草が多く傾斜がきつくて全員押した林道など、結構過酷なコース設定でした。

 PC13でオリエンテーリングのミッション。PC13(下の地図の右上の緑〇)にMTBを置いてからオリエンテーリングスタート地点まで誘導が20分くらいあり、かなり遠いイメージでした。PC13に着いたのが夜中の12時ちょうど。オリエンテーリングを始めたのが0時20分くらいではないかと思います。私は少し眠たくなっていました。

 オリエンテーリングはこの真夜中の時間にも関わらず、通常のオリエンテーリングの日中の大会でエリートクラスが行うような高難度の設定でした。3枚の地図のうち、1枚目の1番、2番、3番と順調に取り、4番を探している時に草に隠れた蓋の無いマンホールに私が落ちて、怪我をします。装備している救急用品で緊急止血をメンバーがしてくれて、とりあえずオリエンテーリングのスタート地点まで全員で私を送ってくれました。その途中でオリエンテーリングを始めたレジェンドチームと会いますが、夜のオリエンテーリングに大変苦労している様でした。1枚の地図には8つのポイントがあり、一つ間違うと15分のペナルティ。1枚全て放棄すると2時間のペナルティになります。

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 上が我チームのオリエンテーリングの軌跡です。私が落ちたのは、地図の下の方の標高394の近くです。時刻は概ね午前1時ごろ。私の総走行距離は90㎞、レース時間は13時間くらいで私のアドベンチャーレースは終了となりました。

 私はその後、スタッフの車に乗せてもらい、救急病院である倶知安厚生病院に向かいましたが、午前2時過ぎでもこの時間に羊蹄山をやっと下山し、京極から倶知安方向に歩ている参加がけっこういました。

 さて、オリエンテーリング会場に到達したのは何と4チームだけだったそうです。さらに、3枚の地図全てにチャレンジし、全て合っていたのは我チームだけ。レジェンドやJASOは途中で止めて2度目のMTBセッションに戻ったそうです。オリエンテーリングをやるよりもペナルティタイムにした方が得策と考えた様です。実際、我チームも私のアクシデント対応が含まれているとは言え、MTBで13番に着いたのが夜中の12時で、オリエンテーリングを全て正解して13番からMTBに戻ったのが朝6時ごろだったそうで、オリエンテーリングに6時間もかかっています。

 その後のレースについては聞いた話とログだけですが、MTBの後半部門でオリエンテーリングをしなかった分レジェンドとJASOは1時間くらい先に行っていました。我チームはその後も健闘し、ルートを間違えて急斜面を藪漕ぎしていたJASOをPC19までに抜かし、MTBでも何度か迷っていたレジェンドにも15分遅れくらいまで差を詰めていたようです。

 レジェンドは最終ゴールを1番で10時35分頃、我チームは2番で午前10時50分頃ゴールしました。しかし、ペナルティタイムが我チームは15分なのに対し、レジェンドは270分、JASOは120分なので、断トツで我チームが1位でした。もし私も完走していたらですが。

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 上が我チーム「蝦夷モモンガ123」の全ての軌跡です。23時間弱で166km走っています。

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 上の写真は28時間くらいかかって最終ゴールするチームの様子です。

 レース結果は、完全完走チームが2チームしか無く(そもそも羊蹄山を降りてラフトが出来たチームが半分も無かったそうです)、ペナルティタイムを加算した結果小鍛治JASOが1位、レジェンドが2位、3位以下は完全完走ではありません。我々もオープン扱いですが、それでもそういったボロボロのチームの中で順位付けをしたようで6番目の扱いで賞品を(全チームですが)もらいました。

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 そして、表彰式。ここで、優勝チームには賞金20万円が出る事が初めて発表されました。2位は8万円、3位は4万円。上の写真は小鍛治JASOが20安円を受け取るシーンです。

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 別にお金のためにレースに参加している訳ではありませんが、圧倒的にレースを支配したにも関わらず、私のアクシデントで優勝できなかったことはやはり悔やまれました。

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 その後、鬼軍曹田中正人氏によるレース解説が今年も行われましたが、完走チームが少ないため、全チームが共通して苦労した場所が少なく、解説するのが大変そうでした。

  ちなみに私は怪我をして処置をしてもらいスタート地点に戻った時、田中正人氏に「鬼軍曹だったら、これくらいの怪我ならレース続けろよと言うのでしょうね」と言ったら、「敗血症になる恐れがあるから、やめて正解です。」とおっしゃっていました。 

 それにしても、今回のメンバーは最高でした。我チームは意見が食い違うシーンもいつも通りありましたが、常にほのぼのとした笑いに包まれていた感じがあります。MTB再スタートの時は少し良くなかったですが。それはレース終了後もそうで、そういった意味で大変充実した3日間でした。

 ニセコアドベンチャーレースは昨年よりもかなり難易度が増していましたが、今後さらに難易度を高めて国際的に通用するレースにしていく構想もあるそうです。

 できればまたこのメンバーでリベンジさせていただきたいです。