『オーバーツーリズム』 高坂晶子 著 学芸出版社2020☆☆☆☆京
コロナ禍で少し収まっていますが、ニセコ地域も完全にオーバーツーリズム状態。しかし、それはニセコに限った事ではなく、今、世界中で起こっていることなのです。
この本は最初にタイプ別にオーバーツーリズムを分析したうえで、海外、国内のオーバーツーリズムの実態と、それに如何に対応してるかを具体的な地域を数多く上げて説明してくれています。
また、「オーバーツーリズム」を「持続可能な観光」と言い換えている自治体が多いけれども、そのために認識がずれてしまっていることも指摘しています。
具体例としては、海外ではバルセロナ、ハワイ、ピピレイ島(タイ)、ボラカイ島(フィリピン)、ツェルマット、ガラパゴスなど、国内では京都市、鎌倉市、恩納村(沖縄万座)などが紹介されています。
さらに、近年急増しているSNSによる次世代オーバーツーリズム(アニメの聖地巡りなど)についても言及され、具体策として美瑛町の例がでています。
また、観光客に責任を求めるレスポンシブル・ツーリズムの取り組み例として、パラオの「パラオ・プレッジ」についての説明もありました。これは、大変良い取り組みだと思いました。