羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

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『熊撃ち』

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『熊撃ち』 久保俊治 著 小学館2009☆☆☆☆☆京
 これはすごかった。面白いです。こんな人が北海道にいたなんて。小樽出身です。知床の付け根の崎無異川と薫別川の間で牧場を営みながら、いまだに熊猟をいしている方です。
 文章も読みやすいです。自然の描写も素晴らしいです。なによりも、熊との駆け引きは手に汗握ります。そして最良の友狩猟犬フチとの日々と別れ。あくまで謙虚な生き様。
 崎無異川と薫別川は私の長男が生まれる時に妻が里帰り出産をするのをいいことに、ヤマメ釣りにキャンプなどをしに入った所です。私でも一日中人間には一人も会わず、オショロコマを昼食にして釣りあがり、背中に熊に見られている気配を感じた(私の場合は気がしただけだと思いますが)所です。
 私が入ったのでは1990年代の終わりですが、そのころでも自然の深さはかなりのものでした。1970年代の知床は、それこそ手つかずの大自然だったのでしょう。そこで視覚や聴覚だけでなく、あらゆる感覚を研ぎ澄まして熊を追う日々は、ある意味最高の贅沢だったのかもしれません。
 本当に凄い人がいたものです。