羊蹄・ニセコを走る、世界を走る?2

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『知識ゼロからのフィンランドの教育』『物語 北欧の歴史』

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『知識ゼロからのフィンランドの教育』 藤田りか子 幻冬社2009☆☆☆倶
 2006年のPISAの学力調査で世界一となったフィンランドの教育について、写真やイラスト入りで分かりやすく紹介した本です。知っている事が多かったですが、改めて感心しました。絵が多いのは読みやすいのですが、本文を読めば分かるので、どちらかでもいいと思ってしまいました。
 表面的な現象の紹介が多く、その背景にある政策などについての分析があまり無いので、なぜそういう制度にすることが出来ているのかはこの本からはほとんど分かりませんでした。
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『物語 北欧の歴史』 武田龍夫 著 中公新書1993-2004☆☆☆京
 デンマークスウェーデンノルウェーアイスランドフィンランドの歴史を中世くらいから現代までうまく新書にまとめています。「物語」としているので、歴史の概説書ですが、読んでいて苦痛にならない様に工夫されています。結果、どうしても王様中心の歴史になりがちですが…。
 フィンランドが長くスウェーデンその後ロシアに支配され、、独立後もずっとソ連の圧力の中で苦労しながら国を発展させてきたことがよくわかりました。
 また、バイキング系の北欧4か国が、一つの国になれるのではと思っていましたが、大国の間で翻弄されながらも、意外にもお互いを直接に傷つける戦争を沢山していて、統一は絶対に無理なのだということも分かりました。
 私の中で一番の発見は、旭川バーサー大会がグスタフ・バーサという王に由来しているということです。絶望したバーサ王がスウェーデンからノルウェー方面へ逃亡したのを使者がスキーで追いついた出来事がちなんだということでした。スウェーデンの「バーサ・ロペット」82kmは1922年からモーラとセーレン間で行われているそうです。